こんな映画観ました「TAR/ター」

クラシックはお好き?

皆さん、クラシック音楽はお聴きになりますか?私は若い頃からクラシック音楽が好きで大学生の時には〇〇大学交響楽団にも所属していてヴィオラを担当していました。中学・高校の時から好きだったのですが、その時は周りが歌謡曲や洋楽のファンばかりだったので、同調するのが嫌いだった私はクラシック音楽を選んでいた一面もありました。ただ、聴いていて楽しいのはクラシック音楽でした。クラシック界でベルリンフィルハーモニーといえば当時から一流のオーケストラで多くのファンのあこがれでした。そのベルリンフィルハーモニーの首席指揮者の映画とくれば観ない訳にはいきません。クラシック音楽をあまりお聴きにならない方でも、フルトヴェングラーカラヤンアバドの名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。そのベルリンフィルハーモニーの初めての女性首席指揮者となったのがこの映画の主人公「リディア・ター」です。そうです、この映画のタイトルは彼女のファミリーネームなんです。このように書くと女性の団員が普通のように感じますが、実はクラシック界はつい最近まで男性社会と言ってもよい世界だったんです。特にベルリンフィルハーモニーやウィーンフィルハーモニーは日本でいう昭和の時代までは女性は入団することが出来ませんでした。女性団員が入るきっかけとなった一つは、ベルリンフィルハーモニーで起こったザビーネマイヤー入団の問題です。当時の芸術監督だったヘルベルト・フォン・カラヤンクラリネット奏者であるザビーネ・マイヤーを入団させようとしたのですが、団員からは大反対の声が上がりました。理由は「音色が合わないから」。最終的には彼女は入団しなかったのですが、その事件以降カラヤンベルリンフィルハーモニーの間がギクシャクしたとのことです。ただ、現在では約20名の女性団員がいるそうです。ただ、世の中と比べるとまだまだ少ないと言えます。(これは単に男女比の問題として記載しています)

映画の話しに戻りますが、ターは主席指揮者としてオーケストラをまとめようとするのですが、様々な問題が起こります。映画評論にはどのような問題が起きたかは記載があるのでこのブログではネタバレは書かないようにしているので詳細は触れませんが、できればこの映画をご覧になる前に、マーラー交響曲第5番と、エルガーのチェロ協奏曲は聴いていただくと、より理解が深まると思います。また、できればヴィスコンティ監督の「ヴェニスに死す」もご覧になってからこの映画を観ると話しがよりよく理解できると思います。

具体的なストーリーは書きませんが、正直言いまして1回見ただけでは私には理解できない話しの流れでした。おそらく5回くらい観るとある程度のストーリーが把握できて、10回くらい観ればかなり理解ができるような作品でした。あくまで私の理解力の問題だと思います・・・ 特に初めのインタビューや学生とのトークシーンでは音楽についての考えを伝える言葉が多く、理解しながら見続けるのはかなり大変でした。ひょっとしてこの会話シーンがずーっと続くのではと考えると頭を休める暇がない映画なのかと考えてしまったりしました。また、最後には東南アジアのとある国に舞台が飛ぶのですがそのあたりも私の理解力不足で他の人に説明できない内容でした。内容を理解できているというのは、他の人に対して説明することができるという意味なので、この映画も含めて理解できたと言える映画はかなり少ないのではないかと落ち込んでいます。

主演女優について

主演はケイト・ブランシェットケイト・ブランシェットといえば多くの出演作が思い浮かびます。彼女はオーストラリアのメルボルン出身。1969年5月14日生まれなので54歳のなったばかりです。主な出演作は「エリザベス」、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ、「ホビット/シリーズ」、「インディ・ジョーンズクリスタルスカルの王国」、「ナイトメア・アリー」など多くの作品があります。特に「ブルージャスミン」ではアカデミー主演女優賞、「アビエイター」ではアカデミー助演女優賞を獲得するなど、国際的な評価が高い女優です。私は以前、ケイト・ブランシェットケイト・ウィンスレットがごちゃごちゃになっていた時があり、今回のこの作品も主演女優の名前を見て、アッ「タイタニック」の女優さんかと勘違いしました(笑)

前半で書きましたが、事前にこの映画に関連する音楽を聴いたり、映画を観たりするとより理解がしやすくなると思います。もちろん観てなくても聴いてなくてもハラハラする場面もあり、考えさせる場面もありでサイコスリラーとしても楽しめる作品でした。