FP継続研修に参加しました

継続研修を受けて、最新の情報を自分のものにしてブラッシュアップ!

みなさんはファイナンシャルプランナーをご存じですか。私は以前よりAFPの資格を持っていたのですが、数年前にCFP🄬も取得して定期的に研修に参加しています。このAFP、CFP🄬と名乗れるのは試験に合格して日本FP協会に会員として登録している人だけになります。FP資格が認知されるようになったのは、1993年に日本FP協会がCFP🄬資格試験を始めました。そして2002年に、国がファイナンシャル・プランニング検定を厚生労働大臣職業能力開発促進法に基づき行われている国家資格を作ってからより知られるようになりました。民間資格と国家資格がなぜ両立してあるのかを感がえてみると、CFP🄬は元々アメリカで生まれた資格ですが日本でも取得することができます。そしてアメリカでもCFP🄬と名乗ることが出来るワールドワイドな資格となっています。一方国家資格のファイナンシャル・プランニング技能士は国家資格ではありますが、国内のみに限定されています。そして大きな違いは有効期間にあります。国家資格であるファイナンシャル・プランニング技能士は一度試験に合格すれば、更新や研修などはありません。自分で知識を最新のものにアップデートしていかないといけません。一方AFP、CFP🄬は2年ごとに更新があり、研修などにより規定の単位を取得しないといけないという大きな違いがあります。私はCFP🄬も1級ファイナンシャル・プランニング技能士も持っているのですが、今回の研修はCFP🄬の単位取得が目的ですが、内容も現在の私の置かれている環境に役に立つ内容だと感じて参加しました。

第1部 事業のつなげ方

私にはかなり難しい話しでした。まずは事業継承の現状と課題についての分析ですが、日本を支える中小企業の多くが後継者不足に悩んでいます。後継者がいなければ会社を廃業するしかなくなり、雇用されていた労働者は職を失い家族も含めて苦しい生活を送ることになってしまいます。事業継承を順調に進めるにはどのようにすればよいかを段階を追って解説されていました。ステップ1 事業承継に向けた準備の必要性の認識 ステップ2 経営状況・経営課題等の把握(見える化) ステップ3 事業承継に向けた経営改善(磨き上げ) ステップ4 事業承継計画策定 ステップ5 事業承継の実行 となります。また、事業承継の他に企業のM&Aについての解説もあり、主な手法として①株式譲渡による方法 ②事業の一部門または複数部門を譲渡する方法があることの説明がありました。仕事の中で事業承継を扱う機会はありませんが、日ごろ新聞で目にしているM&Aも、基本的な面では事業承継から始まっていると考える、ニュースに見方も変わってくるのではないかと感じました。

第1部の講師は魚路剛司さんという方で、もともとは地銀にお勤めの方です。銀行の法人営業部で事業承継の相談を数多く受けて課題解決をした経験を活かし、現在はご自身で経営研究所を開業するかたわら、事業承継を中心としたセミナー講師やアドバイザーとして活躍されています。

第2部 空き家問題の解決と不動産相続のポイント

つい最近私の姻族の叔父が亡くなりました。葬儀は身内で済ませたとの連絡があり、ご焼香をさせていただくために訪問したところ久しぶりに従妹たちと会いいろいろな話しをしました。その話しの一つに叔父が以前住んでいた家の問題が出てきました。亡くなる前はいとこ夫妻の家に同居していたのですが、それまでは一人で関東周辺の田舎の家に一人で住んでいました。その家をどうするかという話しでした。

今全国の総住宅数は6240万戸、その内空き家数は848万戸で、空き家率は13.6%となっています。また2033年には空き家数が1953万戸になり、空き家率も27.3%になるという予測も出ています。空き家が増えている要因の一つとして新築住宅が多いことがあげられます。令和4年の新築住宅数は86万戸、取り壊された住宅は11万戸、差し引き増えた住宅は75万戸になります。かつ日本の人口は60万人減っているので、当然のことながら住宅が余ってきています。ただ一方で首都圏の住宅価格はかなり上がってきています。原因の一つは原材料の高騰です。都内のマンションの価格はほぼ1億円となっており、購入できるのはパワーカップルか富裕層、それと投資用で購入する層となっています。空き家が増えているのならなぜ住宅価格が上がっているのか不可思議な現象が日本では起きているのです。

では空き家をどうすればいいのでしょうか。①保有する。空き家のまま管理を続けたり、自分で使ったりする。②活用する。必要とする人に貸したりする。③処分する。売却・譲渡する。この3つの選択肢があります。それぞれのポイントの説明があり、相続した土地の場合は「相続土地国庫帰属制度」があるとのことです。相続で土地を保有したが、利用する予定がない場合に国に所有権を移転する制度があります。もちろん条件がありたとえば帰属できない土地の例として①建物が建っている②担保権などの使用収益権が設定されている③他人が使用している④土壌汚染されている⑤境界が不明、争いがある。などです。これらの問題がない土地は売れるような気がするので、国庫に帰属させるのはかなり良い土地といえるような気がします。

第2部の講師は橋本秋人さんという方で、不動産活用、相続、終活などを中心にセミナー、コンサルティング、執筆等を行っているそうです。

研修を終えて

今回の研修で興味を持ったのは、特に第2部の空き家問題の件です。少し前に私の親戚が亡くなり、以前住んでいた家をどうすればいいかということを親戚から相談されたばかりでした。今回得た知識を親戚に伝えてアドバイスをするとともに、仕事にも多少なりともつながる面もあるので、しっかりと自分も知識としてものにし、今後に役立てたいと強く感じました。

こんな映画観ました「TAR/ター」

クラシックはお好き?

皆さん、クラシック音楽はお聴きになりますか?私は若い頃からクラシック音楽が好きで大学生の時には〇〇大学交響楽団にも所属していてヴィオラを担当していました。中学・高校の時から好きだったのですが、その時は周りが歌謡曲や洋楽のファンばかりだったので、同調するのが嫌いだった私はクラシック音楽を選んでいた一面もありました。ただ、聴いていて楽しいのはクラシック音楽でした。クラシック界でベルリンフィルハーモニーといえば当時から一流のオーケストラで多くのファンのあこがれでした。そのベルリンフィルハーモニーの首席指揮者の映画とくれば観ない訳にはいきません。クラシック音楽をあまりお聴きにならない方でも、フルトヴェングラーカラヤンアバドの名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。そのベルリンフィルハーモニーの初めての女性首席指揮者となったのがこの映画の主人公「リディア・ター」です。そうです、この映画のタイトルは彼女のファミリーネームなんです。このように書くと女性の団員が普通のように感じますが、実はクラシック界はつい最近まで男性社会と言ってもよい世界だったんです。特にベルリンフィルハーモニーやウィーンフィルハーモニーは日本でいう昭和の時代までは女性は入団することが出来ませんでした。女性団員が入るきっかけとなった一つは、ベルリンフィルハーモニーで起こったザビーネマイヤー入団の問題です。当時の芸術監督だったヘルベルト・フォン・カラヤンクラリネット奏者であるザビーネ・マイヤーを入団させようとしたのですが、団員からは大反対の声が上がりました。理由は「音色が合わないから」。最終的には彼女は入団しなかったのですが、その事件以降カラヤンベルリンフィルハーモニーの間がギクシャクしたとのことです。ただ、現在では約20名の女性団員がいるそうです。ただ、世の中と比べるとまだまだ少ないと言えます。(これは単に男女比の問題として記載しています)

映画の話しに戻りますが、ターは主席指揮者としてオーケストラをまとめようとするのですが、様々な問題が起こります。映画評論にはどのような問題が起きたかは記載があるのでこのブログではネタバレは書かないようにしているので詳細は触れませんが、できればこの映画をご覧になる前に、マーラー交響曲第5番と、エルガーのチェロ協奏曲は聴いていただくと、より理解が深まると思います。また、できればヴィスコンティ監督の「ヴェニスに死す」もご覧になってからこの映画を観ると話しがよりよく理解できると思います。

具体的なストーリーは書きませんが、正直言いまして1回見ただけでは私には理解できない話しの流れでした。おそらく5回くらい観るとある程度のストーリーが把握できて、10回くらい観ればかなり理解ができるような作品でした。あくまで私の理解力の問題だと思います・・・ 特に初めのインタビューや学生とのトークシーンでは音楽についての考えを伝える言葉が多く、理解しながら見続けるのはかなり大変でした。ひょっとしてこの会話シーンがずーっと続くのではと考えると頭を休める暇がない映画なのかと考えてしまったりしました。また、最後には東南アジアのとある国に舞台が飛ぶのですがそのあたりも私の理解力不足で他の人に説明できない内容でした。内容を理解できているというのは、他の人に対して説明することができるという意味なので、この映画も含めて理解できたと言える映画はかなり少ないのではないかと落ち込んでいます。

主演女優について

主演はケイト・ブランシェットケイト・ブランシェットといえば多くの出演作が思い浮かびます。彼女はオーストラリアのメルボルン出身。1969年5月14日生まれなので54歳のなったばかりです。主な出演作は「エリザベス」、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ、「ホビット/シリーズ」、「インディ・ジョーンズクリスタルスカルの王国」、「ナイトメア・アリー」など多くの作品があります。特に「ブルージャスミン」ではアカデミー主演女優賞、「アビエイター」ではアカデミー助演女優賞を獲得するなど、国際的な評価が高い女優です。私は以前、ケイト・ブランシェットケイト・ウィンスレットがごちゃごちゃになっていた時があり、今回のこの作品も主演女優の名前を見て、アッ「タイタニック」の女優さんかと勘違いしました(笑)

前半で書きましたが、事前にこの映画に関連する音楽を聴いたり、映画を観たりするとより理解がしやすくなると思います。もちろん観てなくても聴いてなくてもハラハラする場面もあり、考えさせる場面もありでサイコスリラーとしても楽しめる作品でした。

 

ラ・フォル・ジュルネTOKYO2023 行って来ました!

4年振りのラ・フォル・ジュルネ

2019年以来、コロナで中止になっていたクラシック音楽祭、「ラ・フォル・ジュルネTOKYO2023」が開催されました!「ラ・フォル・ジュルネ」は1995年にフランスのナントで開催されていたクラシックの音楽祭を日本でも!と取り上げられて、2005年に初めて開催されました。日本語だと「熱狂の日」と訳されるそうです。

毎回、テーマが決まっていて今年のテーマは「ベートーヴェン」! なぜ「ベートーヴェン」かというと、コロナがちょうど流行し始めた2020年も開催予定だったのですが、残念ながら「ラ・フォル・ジュルネ」をはじめとしてほとんどの音楽祭が中止になりました。ベートーヴェンは1770年に現在のドイツのボンで生まれたので、生誕250周年ということで2020年のテーマは「ベートーヴェン」だったのですが、延期、延期、延期されて2023年のテーマも「ベートーヴェン」なんです。やはりクラシック音楽ベートーヴェンの存在は大きなものがあり、延期になったからテーマを変えるとうい選択肢はなかったんだろうと思います。TOKYOのラ・フォル・ジュルネは「東京国際フォーラム」をメイン会場としているのですが、周辺のエリアコンサートも幅広く行われていて、東京駅周辺の丸の内や八重洲、京橋などでも無料コンサートが行われたりしています。

天候に恵まれてたくさんの人出

私が行ったのは5月6日(土)。今年の開催は5月4日から6日までの3日間で、その最終日に行きました。東京の天気は晴れて気持ちのいい日でしたが、風が強かった!!!東京駅から歩いて国際フォーラムまで行くとフォーラムの中庭(?)はスゴイ人出!キッチンカーもたくさん出ていて、みなさん思い思いのものを食べたり飲んだり楽しんでいます。その場所にいるだけでワクワクして楽しくなります。

私がチケットを買ったのは午後からの3つの公演。まず初めはホールCで行われた、ベートーヴェン「七重奏曲 変ホ長調 op.20」。演奏は各地で活躍されている7名の精鋭です。クラリネット:吉田 誠 ホルン:水野信行 ファゴット:モリス真登 ヴァイオリン:オリヴィエ・シャルリエ ヴィオラ:川本嘉子 チェロ:マクシム・ケネソン コントラバス高橋洋太  正直言って全く知らない曲でしたが、7名のアンサンブルが素晴らしく、とても新鮮な気持ちで聴くことが出来ました。ブラボー!

次はホールAで行われた、神奈川フィルハーモニー管弦楽団 指揮リオ・クオクマン で、ベートーヴェン「シェーナとアリア「ああ不実なる人よ」op.65 ソプラノ:天羽明恵。これも聴いたことない曲でしたが、天羽明恵の美しい声に魅了されました。そして、ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 op.73「皇帝」 ピアノ:アブデル・ラーマル・エル=バシャ。ピアノ曲はよく聴くのですが、ピアノ協奏曲の中でも私の好きな1位、2位を争う曲です! 良かった! ブラボー! 

そして最後は今回のラ・フォル・ジュルネのトリを務めるのにふさわしい曲、ベートーヴェン交響曲第9番 ニ短調 op.125「合唱付」。演奏は同じく神奈川フィルハーモニー管弦楽団 指揮リオ:クオクマンです。このホールCは5,000名入るホールなんですが、コンサート用ではありません。そのため音質の面や音量の面で不満は残るのですが、この第9は5,000名の大ホールでも十分に聴きごたえのある迫力でした。ブラボー!です。

この神奈川フィルハーモニー管弦楽団で期待していたことがもう一つありました。それは主席ソロコンサートマスターの石田泰尚です。この人の風貌を見ると、この人がクラシック音楽を!? この人がヴァイオリンを!?と感じる人が多いと思います。ぜひ一度検索してみて下さい。その石田泰尚を聴きたかったのですがこの日のコンサートマスターは違う方でした。聴くのは次の機会にします。

とても幸せな一日を過ごすことが出来ました。来年も無事に開催できるように祈ってます。

美術館・博物館に行ってみた。No.5「ピカソとその時代」国立西洋美術館

世界遺産

東京、上野公園にある西洋美術館。ここは今年(2022年)の春まで改修工事のため約1年半の休館が明けて、久しぶりに公開されるようになりました。建物だけでなく前庭にあるロダンの考える人も場所が変わり、植栽も開園当初の状態に戻すために撤去されていました。本館の設計はル・コルビジエです。そして世界遺産として「ル・コルビジエの建築作品」の一つとして世界的に知られています。リニューアルオープン記念としては2022年9月まで「自然と人のダイアローグ」のタイトルでモネやゴッホなどの展示があったのですが、今回観に行ったのは「ピカソとその時代」ベルリン国立ベルクグリューン美術館展です。

ピカソからマティスセザンヌ

展示の中心はパブロ・ピカソポール・セザンヌパウル・クレーアンリ・マティス、アルベルト・ジャコメッティジョルジュ・ブラックの作品だけというかなり思い切った内容となっています。ここまでアーティストを絞った展覧会は観たことがなかったです。大抵はメインのアーティストがいて、それ以外に多くのアーティストの絵画が展示されるケースが多いのですが、特にパブロ・ピカソが多作ということもあり、この6人だけで展覧会が成り立ってしまっています。100点以上の作品のうちパブロ・ピカソの作品は私が観に行った日では46点ありました。パブロ・ピカソと言ってどの時代を思い浮かべるでしょうか。彼は時代によってかなり作風が異なり、いつ頃描かれたかは絵を観ればある程度判断が可能な場合も多いです。今回は1900年代から1940年代までの作品でまとめられており、キュビズムとのかかわりについて多くの内容を割いていました。絵画の潮流について詳しいことは知らないのですが、どの時代においても新しい流れを作ろうとする人はどんどんと出てくるので、後になって振り返るとあの時がターニングポイントだったんだと改めて感じるのではないでしょうか。

ベルクグリューン美術館

ベルクグリューン美術館は1996年に美術商であったハインツ・ベルクグリューン(Hainz Berggruen)がベルリンにアパートメントを購入して、そこで美術館を開いたそうです。ピカソの絵画が多いので別名「ピカソ美術館」と称されたとのことです。一人の美術商がこれだけの絵画を収集するとなると、かなりの財力やネットワークがないとできないと思われますが、西洋では芸術に対しての理解が進んでいることを感じます。そして現在では「国立」となっていることからみると、国も芸術の理解がすすんでいるのだという事を強く感じます。日本においてもこの「西洋美術館」は松方幸次郎が収集した19世紀から20世紀前半の印象派を中心としたコレクションが基礎となっています。20世紀前半の西洋絵画の流れをつかむのにはとても良い参考になる展覧会だと感じました。

話しは変わりますが、上野公園はいつ行っても人がたくさんいます。土曜日に観に行ったこともあるのでしょうが、家族連れ・カップルが多く、多くの人たちの憩いの場となっています。「西洋美術館」以外にも「東京都美術館」「上野の森美術館」や「国立博物館」「科学博物館」など見て回る施設が盛りだくさんです。そうそう、子供連れには「上野動物園」もありました。私も時間があればパンダを見たかった(笑)何度行っても楽しめる公園です!

美術館・博物館に行ってみた。No.4「岡本太郎展」

本職は人間だ!

岡本太郎」をご存じの方はある程度の年齢以上か、美術・芸術に興味のある方だと思います。1970年に大阪で開催された「万国博覧会」のテーマ館に建てられた「太陽の塔」をデザインした芸術家が岡本太郎です。彼は1911年(明治44年)に神奈川県の川崎市に生まれました。今、その川崎市には「岡本太郎記念館」があります。父親は人気漫画家の岡本一平、母親は歌人・小説家の岡本かの子です。幼い頃から独自の考え、行動から周囲になじめずに転校を繰り返していたそうです。入学した東京美術学校(現在の東京藝術大学)も中退してパリで最先端の芸術に触れました。その後日本に戻ってから旺盛な創作活動で多くの作品を発表したり、文筆活動を通じて国民的な人気を博しました。TVコマーシャルにも出演して「芸術は爆発だ!」などの流行語を残したりしています。あるインタビューで「何が本職なのか?」と聞かれた岡本太郎は「人間―全存在として猛烈に生きる人間」と答えたそうです。

見ごたえあり!

岡本太郎の名前は知っていてもどんな作品があるのかということは詳しくは知りませんでした。大阪万博には行ったことがなかったため、「太陽の塔」は写真や名前で知っているだけですが、とてもユニークなアーティストなんだ程度にしか知識はありませんでした。彼の作品は大きなキャンパスに大胆な構図でデフォルメやキュビズムを取り混ぜた、色鮮やかなものが多いです。初期の頃の作品には肖像画なども書いたことはあるのですが、大半が抽象画と言ってもいい作品となっており、どの作品も説明がないと何を意図した絵なのかを把握することが難しい・・・ ただ、全体を通じて岡本太郎の気迫が大きく迫ってくるのがヒシヒシと感じられるとても充実した展覧会だと感じました。

絵画の次に多く展示されていたのは「太陽の塔」に代表される立体作品です。作品の多くはFRPで作られていました。一部だけブロンズ作品もあります。FRPとは繊維強化プラスチックの略で強化繊維と樹脂を混ぜ合わせて作るそうです。航空機や船舶、生活用品ではお風呂などに使われているとのことでした。「太陽の塔」にも特徴の一部が表れていますが、円錐のような形状が生き物のように伸びたりくねったりしていますが、その根源は縄文式土器に要因の一つがあるようです。彼は1951年に国立博物館で縄文火炎土器を見て大きな衝撃を受けたようで、日本美術史は縄文時代から語られるようになったといわれるようになりました。絵画にもその特徴は表れていますが、形で表現しないといけない立体作品にはそれ以上の特徴が感じられます。今回の展覧会に限らず彫刻なども手で触れることは禁止のことが多いですが、今回唯一触れることが出来る作品があります。「座ることを拒否する椅子」という作品です。日常生活で椅子に座ることは多くの場面であります。私も会社では椅子に座って仕事をしていますが、ある会社では会議は立ったまましているそうです。それは、人間は座ると落ち着いてしまい、そのまますべてを放棄してしまいたくなるものですが、長い人生の中で常に前を向いて動き続けてきた岡本太郎にとって、座ることは必要がない、あるいは座るとしてもほんの一瞬でよく、長く座ることができる椅子は必要なかったのではないかと考えられます。確かにその椅子の上部は半球のように丸くなっているので座りにくく、長く座るためには作られていません。私は座りませんでしたが、作品を見ていてもゆっくりと座ろうとしている人はほとんどいませんでした。

今回の岡本太郎展は、2011年に岡本太郎生誕100年を記念して開催されて以来の大規模な展覧会です。今、国内で岡本太郎の作品をまとめてみることが出来るのは、川崎市にある「岡本太郎美術館」と東京の青山にある「岡本太郎記念館」ですが、これだけの作品を体系的にまとめてみることができる機会はしばらくないのではないでしょうか。

東京周辺にお住いの方はご存じかと思いますが、彼の作品を手軽にみられる場所が一つあります。JR「渋谷」駅から京王「井之頭」線に向かって歩いていく途中の支部マークシティの入口辺りの壁に「明日の神話」が壁一面を使って飾られています。この作品は原爆が爆発した瞬間を表現した作品だそうです。彼の作品には同様の反原発反戦をモチーフにした作品がある、彼の平和に対しての思考を伺うことが出来ます。東京周辺にお住まいの方、あるいは東京に用事があって来られた方は、ぜひ一度「明日の神話」をご覧になってください。

渋谷にある「明日の神話

東京での展覧会が終了したら、2023年1月14日~3月14日まで名古屋市の「愛知県美術館」で開催されるそうです。東海地方の方は楽しみにしていてください。

こんなコンサート行きました「G.フォーレ ピアノプログラム・リサイタル」

フォーレ作品だけのリサイタル

いつもご連絡をいただく「びっくり しゃっくり」の柳橋さんからのご案内で、今回のリサイタルを聴いてきました。場所は東京「市ヶ谷」駅近くにある「ルーテル市ヶ谷ホール」です。以前のブログにも書きましたが、本来は協会のホールなのですが、リサイタルとしてもよく使われているホールです。日本福音ルーテル教会の施設で日頃は礼拝堂として使われています。座席数は200席。室内楽などを演奏するには適当な広さなのではないでしょうか。ホール所有のピアノはスタインウェイが2台、ベーゼンドルファーが1台あるそうです。またホールにはパイプオルガンも設置されており、コンサートで使用することもできるそうです。ハルはまだここのパイプオルガンの音を聴いたことがないので、機会があればぜひ聴いてみたいですね!

ピアノとパイプオルガン

プレ・リサイタル

今回のメインは和田華音さんのフォーレの「舟歌」なのですが、プレ・リサイタルとして、小室亜沙美さんのヴァイオリンの小品の演奏がありました。小室さんは現在東京現術大学音楽学部の1年に在学中。3歳よりヴァイオリンを始めたそうです。演奏された作品は、

 J.S.バッハ 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ 第1版BWV1001 ト短調

バッハはピアノの曲はよく聴くのですが、無伴奏のヴァイオリンソナタは初めて聴きました。ピアノ曲も好きなのですが、っこのヴァイオリンソナタもバッハの特徴がよく出た曲で今度じっくりと聴いてみようと思います。演奏はとても素直な演奏で、これからのますます伸びるのではないかと期待できる小室さんです。

 

メイン・リサイタル

演奏は和田華音さんです。彼女は小室さんと同じように東京藝術大学音楽学部卒業後、同大学の大学院にも進みました。現在は、ソロ活動や後進の指導にも当たっているとのことです。

今回のプログラムのフォーレの「舟歌」ですが、全13曲ありリサイタルで全曲演奏されることはほとんどないのではないでしょうか。ハルはほとんどフォーレのことは知りません。ですが、今回この曲を聴いてとてもフワフワとした気持ちになりました。ベートーヴェンのような力強さはありませんし、モーツァルトのような優雅さもありません、ショパンのような華麗さもありません。でも聴いていると落ち着きます。そういう曲が演奏されるリサイタルはなかなかないのではないかと感じました。もともと「舟歌」はヴェネツィアなどでゴンドラの船頭が船の上で歌う歌に由来しているそうです。特徴としては8分の6拍子の緩やかなリズムです。また、「舟歌」の後はやはりフォーレの「8つの小品」です。オールフォーレプログラムもめったにないリサイタルではないでしょうか。主催者の柳橋さんとメールでやりとりしている際に、フォーレだけのプログラムでお客さんを満席にするのは難しいと言っていたのですが、なんとその日は満席です!しかも補助イスまで使っていました。この日の数日前にも柳橋さんからメールもらっていて、まだ席に余裕がありますと書いてあったのですが、そのメールを見ていたのでてっきりガラガラなのでは(失礼!)と思って会場に行きました。すると会場オープンの前から列ができているし、会場内は満席だしどこがお客さんを集めるのが大変なんだろうと思ってしまいました(笑)これも柳橋さんの営業力なんでしょうか!

和田さんの演奏はとても美しく(和田さんも美しい方です)、聴いていてうっとりする演奏でした。また、クラシックのコンサートでは珍しくMCも長めに話しをされていました。和田さんの演奏を聴く機会はあまりなさそうですが、フォーレを聴くことがあったら和田さんの演奏が重なり合って聴くことになるかもしれません。

オール、フォーレプログラム。とてもゆったりとした時間を過ごすことが出来ました!

 

アクアラインマラソン ハーフ完走しました。

ランニングライフ

今は周辺を見回すと様々なスポーツジムがあります。私の周りにもよく知られたスポーツジムがいくつかありますが、どのくらいの人数が行っているのか、あるいはどのくらいの頻度で行っているのかはわかりません。新しいスポーツジムが出来ているところをみると、まあまあ会員が集まっているのかなという想像はできます。  私も5~6年前に体重が今までにないくらいになってしまい焦ってきました。さて、体重を落とすには何が効果的かを考えたのですが、一番手軽にできるのは走ることだと思い、ランニングをすることにしました。格好から入る私の性格なのでまずはウェアとシューズの購入。ブランドは以前から好きであったアディダスで統一しました。その時から約4年近くが経ち、毎週末はランニングなしでは落ち着かないくらいに日常になっています。毎週自分で決めたコースを走るだけでもいいのですが、さて自分はどのくらい走ることができるのかの腕試しを兼ねて、ハーフマラソンにチャレンジすることにしました。狙いは「ちばアクアラインマラソン」です!関東周辺の方はご存じの方が多いと思いますが、東京湾を横断する海上橋と海ほたるという人工島、そして海底トンネルからなる有料道路です。この道路は自動車専用のため歩いて通ることはできないのですが、この大会の時だけ歩行者も通ることができるんです。2012年に初めて開催され、その後は2年に1回開催されてきました。ですが、前回2020年開催予定はコロナのため中止に。そのため今回は4年ぶりの開催となりました。

参加人数15,000名!

11月6日(日)は朝は少し寒くて、木更津駅からスタート地点までは北風も強く半袖で走れるか心配しました。当日の朝まで、走るときは半袖一枚にするか、その下に長袖を着ていくか迷ったのですが、何とかなるだろうという楽観的な考えから半袖にしてしまったことを後悔しました。JR「木更津」駅ではかなりの人数が下車しましたが、大半がアクアラインラソンの参加者です。駅から荷物を預ける場所まで前の人の後をついていったのですが、よく知らない街を歩くとかなり遠く感じました。実際に駅から受付と荷物預けの場所までは20分以上は歩いたと思います。余裕をもって家を出たはずなのに、荷物の締め切り5分まにようやく預けることが出来ました。その場所からスタート地点までは再び歩いて15分以上! ようやくスタートエリアに着きました。実は前の週も地元のハーフマラソンに出たのですが、その時の参加者が約7,500名だったのですが、今回は15,000名の参加!関東地方では名前の知れた大会なので目立ちたがりのコスプレランナーがかなりいます。スタート地点で見かけたのは、ティンカーベルスーパーマリオガンダムなど。走りながら見かけたのは、青レンジャー、赤レンジャー、緑レンジャー、黄レンジャー。桃レンジャーはいませんでした。ツタンカーメン、ネクタイをしたサラリーマン、富士山、志村けんのバカ殿、などなどです。

スタート、そしてゴール

9時20分にスタートの合図が鳴りました!しかし、私の周りは誰も動かず。というのも参加者15000名ですから、スタート地点から長ーい列になっています。私がいたのはおそらく真ん中に近い位置だと思いますが、動き出すまで2分くらいかかったと思います。動き出しても初めは歩くスピード。スタートラインに着くころにようやくジョギング程度のペースになりました。スタート地点までの所要時間は5分程度でしたが、公式タイムはスタートの合図のあった時間ですから、5分程度は余計にかかりました。スタートしてもまだまだ一団となって走ります。ペースは比較的ゆっくり。問題なくついていけるペースでした。そして距離を重ねて9キロ辺りでようやくアクアラインに入ります。普段は自動車専用道路なので歩いて渡ることはできないのですが、このアクアラインラソンのときだけ、走って(歩いて)渡ることができるんです。東京周辺の方は渡ったことがあると思いますが、橋の部分はずっと海面と並行ではなく、人工島である海ほたるに近づくにつれて登り坂になります。橋を渡り始める場所の高さが10m程度ですが、一番高い場所は40mなので約30mを登ることになります。もちろん帰りは下り坂になるので楽なんですけど。当日は先ほど書いたように朝は少し風があって寒かったのですが、スタートしたら寒さや風も感じずとても気持ちよく走ることができました。以前参加した人の体験談などを読むと橋の上は風が物凄く強く、前の人を風よけにして走ったり、坂が大変で歩いている人も多かったとのことでしたが、今年は橋の上でも風はほとんど気にならず、歩いている人もほとんど見かけませんでした。橋の部分の往復を走り終わると、あと2キロくらいです。最後は万歳ポーズでゴール! タイムはよくありませんでしたが、とても気持ちよく走ることができました。楽しく完走できた原因の一つにスタッフやボランティアの人たちの応援や手助けがあります。走る前の荷物預け会場での対応や、途中の給水ポイントでのフォロー、海ほたるでは地元のビワを使ったビワゼリーが配られたりと、元気になるフォローをたくさんしていただきました。また、沿道にはたくさんの人たちが応援してくれています。全く見ず知らずの私にも「頑張って!」と声をかけてください人もたくさんいて本当に元気が出ました。みなさんありがとうございました!

2年に1回の大会です。再来年もまた参加しようと決めました。それまでにトレーニングを頑張ります!