こんなコンサート行きました「第46回ピティナ・ピアノコンペティション 特級ファイナル」

将来期待されるピアニスト達

今回は「第46回ピティナ・ピアノコンペティション 特級ファイナル」に行ってきました。会場は東京、赤坂にある「サントリーホール」です。この「ピティナ・ピアノコンペティション」は、ピアノ教育者団体のピティナが主催する全国を対象とした大規模なピアノコンクールです。グレードも一番初心者のA1から今回の特級まで細かく分かれています。2018年(第42回)のグランプリにはYouTubeで「かてぃん」として活躍している角野隼斗さんや、2019年(第43回)のグランぴりには今年のヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールでセミファイナルまで残った亀井聖矢さんなど多くの著名ピアニストを輩出しています。将来を期待されるピアニストがたくさん登場するので、聴き比べるのがとても楽しみです。

今回のオーケストラ共演は東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、指揮は飯森範親さんです。また審査員長は金子勝子さん、その他8名の審査員がいるのですが、5月に聴いたばかりの田崎悦子さんがその中の一人だったのがちょっとうれしかったです。



ファイナリスト

1.森永冬香さん 東京藝術大学3年

チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調

森永さんは去年もこの特級にチャレンジしたそうです。去年は2次予選まででしたが、今年は関門をいくつも超えて本選にたどり着きました。演奏はとても素直な弾き方です。音もとてもきれいです。一人目なので全体の中での位置付けはまだできません。

 

2.神宮司悠翔さん 東京藝術大学音楽学部付属音楽高校2年

チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調

なんと高校生!でも彼は幼い頃から多くのコンクールに挑戦して素晴らしい実績を残してしるそうです。曲は一人目と同じなので比較しやすいです。ピアノの初めの音を聴いたときに驚きました。一人目とは全く違うピアノの音なんです。もちろんピアノは一人目の森永さんと一緒ですが、音の響きや大きさの違いがはっきりとわかります。ちなみに今回使用されたピアノはスタインウェイ&サンズでした。ただ少し音が走りがちのように聴こえてしまい、最後はオーケストラのテンポも速くなっていたようです。

ここで20分間の休憩があったのですが、ロビーをフラフラしていたら、演奏を終えた神宮司さんがロビーに出てきて知り合いに挨拶をしていました。舞台にいると大きく見えるのですが、実際は160cmくらいのおとなしそうな青年でした。

3.北村明日人さん 東京藝術大学大学院

ベートヴェン ピアノ協奏曲第4番 ト長調

ハルの好きなベートヴェンのピアノ協奏曲第4番です。出だしはとても美しいメロディー。笑顔で弾いているのが見えました。全体の演奏もとても感情のこもった内容で終わった後の拍手も、これまでの3人の中で一番大きかったです。聴いていて満足感が一番感じられました。

 

4.鶴原壮一郎さん 東京藝術大学2年

ラヴェル ピアノ協奏曲 ト長調

この曲はピアノはもちろん難曲なのですが、オーケストラの演奏もかなり難しそうでした。本選で演奏された曲はどれも難しいのですが、この曲は特にテクニックが必要で、初めの3曲と比較のポイントが全く違うので、自分の中での審査するのにとても困りました。演奏後の拍手も鶴原さんに対してはもちろんありますが、オーケストラの各パートに対しての拍手があったりしたので、主役としてのピアニストの影が薄れてしまった感がありました。

結果発表

4名の演奏が終了したのは19時20分頃でした。最終結果発表と表彰式は20時頃の予定とのアナウンスがあり、いったんホールの外へ出てみると、なんと帰る人たちの人波が・・・ 皆さん結果と表彰式を見ないで帰るんですね。こんなものなんでしょうか。少し寂しいのと驚いたのですが、ハルはしっかりと最後まで見届けて帰ります。

その前に聴衆賞とサポーター賞の投票。パンフレットについているQRコードから、最も感動した演奏者に「聴衆賞」、これから期待する演奏者に「サポーター賞」が贈られるそうです。ハルは「聴衆賞」は2番の神宮司さん、「サポーター賞」はセミファイナルで3番の北村明日人さんに投票しました。なぜかというと、おそらくグランプリは3番の北村さんが獲得すると予想したので、北村さんと同じくらい素晴らしい演奏だと感じた来年を期待しての神宮司さんにしました。また、北村さんにはこれからのますますの活躍を期待しているので、応援の意味を込めてサポーター賞にしました。

さあ、グランプリの発表です。ハルの予想通り「北村明日人」さんがグランプリに輝きました!おめでとうございます!銀賞は神宮司さん、銅賞は森永さん、4位は鶴原さんという結果でした。グランプリの北村さんは文部科学大臣賞、スタインウェイ賞も獲得しました。また、「聴衆賞」は北村さんが獲得して「サポーター賞」はセミファイナルまで残っていた「今井梨緒」さんが獲得しました。

ピアニスト達も目標はコンクールで入賞することではありません。コンクールは自分を売り込むため、あるいは実力を見せるための道具として使っているはずです。上位入賞することで多くの人たちに名前を覚えてもらい、各方面から声をかけていただき、演奏をする機会が増えて世界へ羽ばたくことができます。北村さんはもちろん本選に出場した皆さんが今後のピアノ界で名前をよく聞くようになるととても嬉しいです。      来年もまた聴きに来ようと思っています。

それでは。。。