こんなコンサート行きました「松田 彩香 ショパン 夜想曲(全曲)ピアノ・リサイタル」

これから期待のピアニスト 松田彩香さん

現在フランスの「パリ国立高等音楽院ピアノ科」に在籍している、ピアニストの松田彩香さんによる、ショパンの「夜想曲ノクターン)」全曲のピアノリサイタルを聴いてきました!松田さんはまだ23歳。様々なコンクールに入賞経歴のあるこれから期待のピアニストです。フランスを中心に活動をされているとのことですが、今回は1週間前に日本に帰国して、このリサイタルが終わった翌日にはまたフランスに戻るというハードスケジュールです。

場所は東京の市ヶ谷駅近くにある「ルーテル市ヶ谷ホール」。定員200名ほどのホールですが、コロナの第7派真っ只中ですので、一部の席を間引いて行われました。でもかなりお客様は入っていました。

ピアノは「スタインウェイ&サンズ」のフルサイズのグランドピアノです。スタインウェイ&サンズにピアノは「ハンブルグ」製と「ニューヨーク」製の2つがあるのですが、ここのピアノがどちらかはハルには判別できませんでした。写真を撮りましたので詳しい方がいましたらご確認ください。

プログラム

今回のプログラムは、ショパン(1810~1849)が生涯に作曲した夜想曲ノクターン)18曲、つまり全曲です。ピアニストの松田さんがMCで言っていたのですが、ショパンが生前に発表した曲は18曲でしたが、未発表の夜想曲ノクターン)が3曲あり、アンコールでその3曲も演奏していただいたので、ショパンが作曲した夜想曲ノクターン)全21曲を一度に聴くことができるというめったにないリサイタルでした。

プログラムは3部構成でした。第1部は作品9の3曲と、作品15の3曲。ショパンが20代前半に作曲した曲です。この6曲はよく知られた曲が多く、クラシックをあまり聴かない人でも、「アッ、聴いたことある!」と思うはずです。20分の休憩後、第2部は作品27の2曲、作品32の2曲、作品37の2曲、ショパンが20代後半に作曲した6曲が演奏されました。この6曲はあまり聞く機会がなく、ほとんど知らない曲でした。ここで再び20分の休憩。第3部では、作品48の2曲、作品55の2曲、作品62の2曲、ショパン30代に作曲された6曲でした。第3部の曲は比較的演奏される機会が多いので、聴いたことがある曲が多かったです。

演奏はとても素直な弾き方で安心して聴くことが出来ました。リサイタル(コンサート)に行って期待することは、とても興奮するか、あるいはとても安心するかのどちらかになることが多いのですが、今回のリサイタルは安心して聴くことができるタイプでした。ピアノ曲はよく聴くのですが、弾くことはできないので専門的なことはわからないのですが、高音のキーはピアノの巨匠と言われる人たちの演奏を聴いているのと同じ響きが感じられ、スタインウェイの音は安心できると改めて感じます。それは演奏する人の性格にもつながるものがあると思います。松田さんは23歳という若さを活かしたとても素直なピアノを弾くピアニストです。このまま伸びていただき、世界的に活躍したもらいたいと期待しています。

演奏で気になったことが一つ。先ほども書いたようにハルはピアノが弾けないのでピアノの特徴はよくわかっていませんが、ペダルを踏んで音を伸ばして、最後にペダルを戻すときに伸びていた音が最後に変化しているように聞こえました。これはこのピアノの特徴なのか、あるいは松田さんの癖なのかはわかりませんが、何度も同じように聞こえるのでそのたびに気になってしまいました。

ショパン好きなハル

ハルがショパンが好きになったのはいつの頃か思い出してみると、高校生の時にはショパンの曲はかなり聴いていました。というか、聴いている曲はほとんどショパンだったと言っても過言ではないです。大学生の3年から4年になる時の長期休みにヨーロッパに一人で旅行に行ったのですが、そのときにポーランドにも行きました。目的はショパンの生家を訪れることです。ワルシャワに滞在していたのですが、ショパンの生家があるのは、ワルシャワからタクシーで1時間程度だったと記憶しているのですが、ジェラゾバボーラという街です。ショパンが好きになった高校生の時からあこがれていたショパンの生家に行けただけで、とても感動した覚えがあります。その時にお土産で買ったのは石膏でできたショパンの左手のです。それだけを飾っていると知らない人が見ると不気味かもしれませんが、ハルにとっては宝物でした。ただその宝物も何回かの引っ越しのときに割れてしまい、今はもうありません・・・

有名なピアニストのリサイタルを聴くのはとても気持ちがよくなり、心も豊かになる気がしますが、今回のようにこれから伸びる若手演奏家のリサイタルを聴くと、将来どんな演奏家になるのかがとても楽しみで、長い目で応援してみようという気持ちになります。今度は何を聴きに行こうかな!