こんな本読みました。「アンドロメダ病原体-変異-」読了。 マイクル・クライトン&ダニエル・H・ウィルソン


ジュラシックパークの原作者

約2年前に出版された本ですが、「アンドロメダ病原体-変異-」読了しました。マイクル・クライトンと聞いて、アッ、あの人か!と気がつく人も多いのではないかと思いますが、「ジュラシックパーク」の作者です。私は原作を読んでから映画を観たのですが、原作から入った方には映画の違和感が強かったのではないかと思います。小説は1990年に発表され、スティーブン・スピルバーグが監督して1993年に映画が完成しました。今年には第6作目も公開される予定ですが、そのマイクル・クライトンが1969年に発表したSF小説で、1971年には映画化されています。かなり以前ですが、原作を読んで映画も観たことがあります。実は原作者のマイクル・クライトンは2008年にガンで亡くなっているのですが、原案は持っていたのだと思いますが、遺族の同意の元、ダニエル・H・ウィルソンが内容をまとめて2019年にアメリカで出版された作品です。このブログでは彼の名前の日本語表記を、出版元である早川書房が使用している「マイクル」としています。一般的には「マイケル」の方がよく目にする書き方ですが、外国語を日本語にするとどうしても発音の問題が起こったりしますね。

前作より活動範囲がかなり広い

かなり前に観た映画の記憶では、これもSF映画って言えるんだ、と思って観ていました。実は今回の「アンドロメダ病原体-変異-」ではアクションシーンと言ってもよい場面がたくさんあります。50年前の作品では動きがとても少なく、静かな中に時間が過ぎていく作品のイメージでサイレント作品として私の中では記憶に残っていたのですが、今回は映画化できるくらいの動きがあります。アマゾンのジャングルを進む場面や国際宇宙ステーションの中の場面、あるいは地上とステーションを結ぶロープの場面など、映画化したらアクションシーン満載になりそう。そう感じさせるのは翻訳力のなせる技でしょう。読んでいるとハラハラドキドキとして、小説の中の人物たちになりきりそうな雰囲気になります。今回の作品も前回化学兵器として使用しようとしていた地球外の菌が以前よりもかなり進化して、状況次第では地球が壊滅しそうな雰囲気を醸し出す内容となっています。詳細はネタばれになるので書きませんが、かなりまずい状況に追い込まれます。ただ、地球の運命を握っているのが一部のアメリカ人たちという設定は、やはり「アメリカファースト」の国ということを強く感じました。